3年前に独立した青年がいます。以前、独立直後にこのシリーズで一度書きいましたが、
その青年のその後です。独立したのが30才。今は34才です。
インターネット販売の会社に8年勤め、何度かNO.1サイトの表彰も受け、
「インターネットで売る、ウェブサイトで売るということを始めたが、思うように売れない」
という企業や個人をコンサルティングしようと独立しましたウェブ販売コンサルタントです。
そのコンサルの基本は、「当たり前のことをやっていただく、始めたらひたすら続けて
もらう」ということです。
一言で言えば、サイトで売るなら、そのサイトを毎日コツコツと改善していく。そのことを
ずーと続けていくということです。
30代前半で、自分でこれまでのノウハウを生かして思い切ってやってみようと独立する
人は、たくさんいます。彼もその一人です。
このような人達を多く見てきた友人がいます。元リクルートです。
30代前半で独立した後輩たちをたくさん見てきたのです。その友人自身も、40代前半で
独立し、事業を展開しています。
30代前半を含め、独立した青年経営者たちがたどる道です。
独立して1年目は、思った以上の売り上げが上がるそうです。独立前の年収を
初年度で早くもクリアするというパターンです。70%~80%の人は、
「独立してもやっていけるではないか」と自信を持つそうです。
青年ウェブコンサルタントも同じ道をたどりました。多くの独立した人達が出会う2年目です。
売り上げが徐々に下がっていきます。3年目には、さらに下がっていきます。
1年目の勢いが急速に消えていくのが2年目、3年目です。
独立した初年度は、本人にとっても、その仕事のピークの時にやめます。ですから、
競争力もそこそこにあります。しかも、独立して1年目です。「元、何々会社」の看板も
生きています。思った以上に仕事が取れることが多々あります。
しかし、この独立した直後の資産と人脈と看板の賞味期限は、通常は1年ほどだそうです。
多くの独立後輩たちを見てきた友人の経験則です。勤めた期間がもう少し長いと、そのv
賞味期限は、3年、5年と延びますが、30代前半ですと勤めて10年程。
賞味期限1年が相場のようです。
この青年ウェブコンサルタントも、2年目、3年目と売り上げが下がってきました。
客観的に見れば、「ここからが勝負でしょ」となるのですが、本人にとっては必至の問題です。
このじり貧状態から脱出できるのか、毎日が不安との闘いです。
この状況を打開するウルトラCはありません。10万人に1人くらいは、何らかの手が
逆転満塁本塁打となり、この苦境から脱出する人もいます。
ほとんどの人には、そんなことはやってきません。でどうするかです。
独立したばかりの30代。以前の会社での資産も食いつくしています。こうなると、回転は
悪い方、悪い方へとなります。
この流れを断ち切るために何を始めたか。まずは、信用を作っていかねばなりません。
前職の信用は、前述のように1年が賞味期限です。2年目以後は、多数の若手コンサルタント
の1人にしか過ぎません。
この青年コンサルタントは、「毎日、2000字のブログを、顧客となって欲しい方が
読みたくなる内容で書き続ける」ということを始めました。
たまたま知り合いが、「100日間2000字ブログ」で、仕事の流れを変えたことを知ったからです。
毎日2000字ブログを、ウェブ販売の関係者たちが読みたくなる内容で、続ける。
行動に移そうと思ったのですが、まずは、「毎日2000字を書き続けられるだろうか」という不安ばかり
が頭の中に浮かび、意気消沈したそうです。「できるわけがない」、「続けられなかったらどうしよう」
しかし、おカネも信用も無いのですから、2000字を続けるという汗を流すことによって、
人様から前向きの関心を少しでも得るしかないだろうということです。乱暴ですが、
毎日寝る時間を2時間削るということです。
同時に始めたのが、自社のノウハウの説明会を毎月1回開くということです。
ウェブ販売のコツのセミナーを無料で開くということです。そのためには、毎回10社の
顧客候補を集め続けるということをやらねばなりません。
これも、、胃が痛くなるノルマです。最初は、知り合いの会社に声をかけて、
説明会に参加してもらうのですが、それも遅かれ早かれ種は尽きます。そんな中で、
どうやって、毎月10社集めるか、
皆さんは忙しいのです。
これも、「できるのだろうか」という不安100%のノルマです。2000字を1日だけでなく、ずーっと続ける。
10人を、2~3回集めるではなく、毎月1回をずーっと続ける。誰が考えても、「とても
出来そうにないのでは」というテーマです。
そんなことを始めて10ヶ月がたちました。やっぱり、神様は少し微笑んでくれました。
9ヶ月目、10ヶ月目、新規の顧客の獲得が1社、2社と身を結びました。徐々にでは
ありますが流れが変わり、「これらのことを続けていけば、お客さんは着実に増えていくのでは」
と思えるようになってきました。どこまで減り続けるのかという状況から少し離れてきたのかも
知れません。
もちろん、これでこの会社の前途は洋々と言えるほどではありません。
光が少し見えてきたかもしれないという程度です。
成功物語ではありません。まだまだの途中です。しかし、最近、この若いウェブコンサルタント
青年が言っていた言葉です。
「とてもできそうもない。続けられないのでは。無理だ。そんなことでも、続けてみると、
続けること自体が、以前より少し楽になりました。続けていれば、要領やコツが少しづつ
身についてくるのかも知れません。苦しい、つらいの状況に変化はないのですが、
何とか続けていくためのコツが少し見えてきました。大変だけど、続けてみるしかないし、
続けてみるもんですね。不安でも始めるしかないということかもしれません」
誰でも、始めてみれば、意外に続けられたなどと言うつもりはありません。
始めて続けていけば、苦しいけど何かの手ごたえらしきものが感じられるときもある。
続けるために、必死になって続ける方法を考えるからです。
この程度のことまでは、言い切れるようです。
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1947年 4月 東京都生まれ |