先日読んだ本に、「Aさんが成功し、Bさん、Cさんは努力したのに結果を
出せなかった。これはたまたまです」と、書いてありました。
例えば、マイクロソフトを創業したビル・ゲイツですが、
今や、とてつもない資産を持っています。
別にビル・ゲイツ氏をけなすために言うのではなく、我々の1000倍、
1億倍の資産を持っていますが、だからと言って、ビル・ゲイツが
我々の1000倍も、1億倍も頭脳が優れていますか。
答えは否だと思います。
別の言い方をすれば、ビル・ゲイツ クラスの頭脳を持った方は、
世界には何十万人といるはずです。
しかし、たった一人、ビル・ゲイツだけが、あれ程の成功をものにし、
とてつもない資産を持つことができた。
「それはたんなる偶然で、能力とか力とかで比べたら、彼と同等か
それ以上の人は何万人もいます。
何故、ビリ・ゲイツだけか。
それは、たまたまの結果です」となります。
その本によりますと、歴史上の大発見もほとんどは、偶然の産物とのことです。
Aという結果を求めて研究して何十年。
ある日、その試料の一部を通常とは違う状況に置いておいたら、とんでもない
大発見をした。よく聞く話です。
企業、それもベンチャー企業の成功者が、「私のようにやれば成功する」という本を
出しています。
極端ですと、企業家として成功した人を神格化し、子供の頃からそういう運命を
持っていた。だからその経営者が若く、幼少の頃からやってきた事を真似れば、
あなたも成功しますよ。とその本は語りかけます。
誰が企業家として成功するか。ほとんどは偶然です。
こういうことをすれば、必ず成功するということはあり得ません。
世の中面白いのは、たまた企業を成功させただけで、人格も含めて
神様のような気分になってしまう人の多いことです。
何千人、何万人の中からただ一人成功したのは、正確には
本人の力ではなく、同じような力の人は、何千人もいるのに
ただ一人としてなれたのは、たまたまの結果です。
幼少の頃から神童だったと言われる成功者もいますが、
正確には、その程度の神童は、珍しくないほど日本中にいたと
いうのが現実です。
結論の一つです。
この先何がどうなるか、あらゆる予測は外れてきたという現実です。
10年も20年も前から、極端に言えば生まれた時から成功者としての
道が決まっていた人は、歴史上一人もいません。
となると、少なくとも、自分の先行きもそんなに悲観する必要もありません。
必ず成功するという方法も運命も無いのですから。
逆に言えば、必ずダメになるという運命もありません。
正確に言えば、明日の事はわからない。予測は当らない。
となれば、明日は良い事があると思っている方が、良いに決まっています。
自分の明日は予測出来ないですから、
「私は、運が悪いから明日もダメか」と考えるのは無意味な事になります。
幸運は誰に来るのか。明日になってみなければわからない。
誰も予測できないことです。
結論の二つ目です。
だからと言って、「果報は寝て待っていてもやって来ない」のが厳しい現実です。
皆さんにとっても、実はわたしにとってもつらいのは、
「一生懸命努力したり、成功した経営者の本のとおりやってみても
成功するとは限らない」という現実です。
となると、一生懸命努力したって成功するかしないかは偶然なのですから、
努力してもしょうがないのではと思うかもしれません。
しかし、現実はさらに厳しいのです。
「誰のところに幸運の女神がやってくるかは偶然だが、女神は準備し、
一生懸命やっている人のところにしかやって来ない」というのが現実です。
つまり、幸運の女神に来てもらうには、技術を身につけるノウハウに磨きをかける、
新たな資格に挑戦する。など、もう一段、自分の力を向上させることに
一生懸命努力をし続けなければならないことになります。
努力したって成功するわけではない。しかし努力しなければ、幸運の女神は
目にもとめてくれない。
ありきたりの結論です。
明日を悲観しない。何故ならば、世の中の予測などと言うものは皆外れる。
100本の予測があれば、そのうちの1本は、結果として当る事もありますが、
100本中100本が当らねば、予測は当るとはなりません。
当らない予測で悲観することはありません。
筆者は、どうせ予測は当らないのだから悲観することはないと、この本を読んだ
直後から、座右の銘は「前途洋々、大器晩生」としました。
結論の二です。
ただ、「果報は寝てても来ない」、「幸運は準備している人のところだけに来る」
というのが現実ですから、ささやかな自分の強みをより向上させるために、
目一杯の力を注いでいく。
勉強をもっとしなければならないという事です。
大変なのは、力は人から「やりなさい」ということをやっただけではつきません。
自分で自分に対して、「ここまでやりなさい」と目標を設定して、やり切るしかないのが
力をつけていく方法です。
運、不運は何も決まっていませんよ。すべては「たまたま」です。
トライあるのみです。
ただ、「続ける」人のところだけに、「幸運」はやってきます。
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1947年 4月 東京都生まれ |